【超初心者~初心者向け】最低限覚えておくべきExcel関数全12選
「Excel関数」を見聞きしたことがあるものの、関数の内容や使い方が分からないExcel初心者も多いでしょう。関数を使うと正確かつ素早く計算や情報処理ができるため、業務効率化を図りたい方は基本的な関数からマスターしていくことをおすすめします。
この記事では、Excelの超初心者・初心者に向けて、Excel関数の概要とおさえておきたい基礎知識を紹介します。基本のExcel関数や活躍シーンの多いExcel関数も併せて確認し、業務効率化に役立てましょう。
❶Excel関数とは?おさえておくべき基礎知識も
Excel関数とは、複雑な数値計算や情報の検索、条件分岐などの特定の定型処理を行うためにExcelに用意されている数式(命令文)のことを指します。
Excel関数を使いこなすためには、基本的な処理ルールを理解することが大切です。まず、計算式や関数を入力する際には「=(イコール)」から始めることをおさえておきましょう。イコールがないと計算式・関数として認識されないため注意してください。
また、単純な四則演算の場合は関数を使用せず、記号を使って計算することが可能です。
◆四則演算で使用する記号
計算 / 記号
たし算 +(プラス)
ひき算 -(マイナス)
かけ算 *(アスタリスク)
わり算 /(スラッシュ)
さらに、Excel関数において条件を指定する場合には、「比較演算子」と呼ばれる記号も使用します。記号の使い方や意味をマスターしておきましょう。
◆代表的な比較演算子
記号 / 使用例 / 意味
= A=B AとBは等しい
> A>B AはBより大きい
< A<B AはBより小さい
>= A>=B AはB以上である
<= A<=B AはB以下である
<> A<>B AとBは等しくない
入力した関数・計算式で正常な処理ができない場合には、エラー表示が出力されます。エラーの原因によって出力される表示内容が異なるため、エラー表示を確認した上で関数・計算式の修正などの対処を行ってください。
◆代表的なエラー表示
エラー表示 / エラーの原因
#DIV/0! ある数値を「0」「空白セル」でわり算している
#N/A 参照セルに適切な値がない / 値が無効 など
#NAME? 関数名の誤り / 定義した名前の入力の誤り など
#VALUE! 参照値では計算ができない(例:文字列)
#REF! 指定のセルを参照できない
❷超初心者向け|基本のExcel関数7選
Excel関数を使用する際には、「関数名」と「引数(ひきすう;処理に必要なセル・数値・文字列など)」を組み合わせる必要があります。関数名と併せて引数の組み合わせ方も確認しておきましょう。
ここでは、Excel超初心者に向けて基本のExcel関数を7つ紹介します。それぞれの概要や実際の使い方をふまえた上で実践してみましょう。
■合計:SUM関数
SUM(サム)関数とは、指定した範囲のセルに入力された数値の合計を算出する関数です。合計値を出力したいセルに、次のような関数・引数を入力しましょう。
使用例:=SUM(A1:A15)
意味:A1からA15までに入力されたすべての数値の合計を算出する
■計数:COUNT関数
COUNT(カウント)関数とは、指定した範囲に数値が入力されたセルが何個あるか数えることができる関数を指します。なお、文字列はカウントされません。
使用例:=COUNT(A1:B15)
意味:A1からB15の範囲内で数値が入力されたセルの個数を数える
■平均:AVERAGE関数
AVERAGE(アベレージ)関数とは、指定した範囲のセルに入力された数値の平均値を求める関数です。なお、空白セルは計算の対象外になります。
使用例:=AVERAGE(A1:B15)
意味:A1からB15の範囲内で数値が入力されたセルの平均値を算出する
■最大値・最小値:MAX関数・MIN関数
MAX(マックス)関数は指定範囲内の最大値を、MIN(ミン)関数は指定範囲内の最小値を求める関数です。
使用例:=MAX(A1:B15)
意味:A1からB15の範囲内のセルに入力された数値の最大値を表示する
使用例:=MIN(A1:B15)
意味:A1からB15の範囲内のセルに入力された数値の最小値を表示する
■条件指定計算:IF関数
IF(イフ)関数とは、条件によってセルの表示を変更したいときに使用する関数です。指定する条件を論理式で入力し、値が真の場合に表示する内容、偽の場合に表示する内容の順で入力してください。文字列を表示する場合は「”」で括ります。
使用例:=IF(A1>=80,”合格”,”不合格”)
意味:A1が80以上の場合は「合格」、そうでなければ「不合格」と表示する
■四捨五入:ROUND関数
ROUND(ラウンド)関数とは、セルに入力された数値の小数点以下を指定した桁数で四捨五入し、その結果を表示する関数を指します。セルの指定に続いて、表示させる小数点以下の桁数を整数で入力しましょう。
使用例:=ROUND(A1,2)
意味:A1の数値を小数点第3位で四捨五入し、小数点第2位まで表示する
■指定値検索:VLOOLUP関数
VLOOKUP(ブイルックアップ)関数とは、指定した値を指定範囲内で検索し、指定した値があればその何列か右側にある値を抽出して表示する関数を指します。「=VLOOKUP(検索値,検索範囲,列番号,検索方法)」の順で引数を入力しましょう。
使用例:=VLOOKUP(A1,B1:E15,2,FALSE)
意味:A1の数値をB1からE15の範囲で探し、A1と完全一致(FALSE※)する数値が見つかったら、その数値の行でB列から2番目の列にあるセルの数値を表示させる
※検索値未満の最大値を抽出する場合は「TRUE」を入力
❸初心者向け|活躍シーンの多いExcel関数5選
次に、Excel初心者でも使う機会が多いExcel関数を5つ紹介します。活躍シーンの多い関数の名称をおさえた上で使い方をマスターし、業務効率化に役立てましょう。
■切り上げ・切り捨て:ROUNDUP関数・ROUNDDOWN関数
ROUNDUP(ラウンドアップ)関数は、数値の小数点以下を指定した桁数で切り上げ、その結果を表示する関数を指します。また、ROUNDDOWN(ラウンドダウン)関数は、小数点以下を指定した桁数で切り捨て、その結果を表示する関数です。ROUND関数と同様に、セルの指定に続いて、表示させる小数点以下の桁数を整数で入力しましょう。
使用例:=ROUNDUP(A1,1)
意味:A1の数値を小数点第2位で切り上げ、小数点第1位まで表示する
使用例:=ROUNDDOWN(A1,0)
意味:A1の数値を小数点第1位で切り捨て、整数で表示する
■指定数値乗算:PRODUCT関数
PRODUCT(プロダクト)関数は、指定した数値を乗算(かけ算)した結果を出力する関数です。「*(アスタリスク)」でも可能ですが、複数のセルを乗算する際に便利に使用できます。
使用例:=PRODUCT(A1:C5)
意味:A1からC5までの範囲の数値を乗算する
■日付:DATE関数/TODAY関数
DATE(デート)関数は、複数のセルに分かれて入力された「年」「月」「日」を1つのセルにまとめて「日付」の書式設定に変換できる関数です。「=DATE(年,月,日)」の順番になるよう、該当するセルを指定しましょう。
使用例:=DATE(A1,B1,C1)
意味:A1/B1/C1として日付表示する
また、TODAY(トゥデイ)関数は今日の日付を出力する関数です。引数は使用しません。
使用例:=TODAY()
意味:今日の日付(ファイルを開いたときの最新の日付)を表示する
■条件判断:AND関数/OR関数
AND(アンド)関数は指定したすべての条件を満たしているか、OR(オア)関数は指定した条件を1つ以上満たしているかを判断する関数です。「=AND(OR)(“条件1”,”条件2,…)」といったように、条件を指定してください。判断結果は「TRUE」または「FALSE」で表示されます。
使用例:=AND(A1=”女性”,B1>=50)
意味:A1に「女性」の文字列があり、かつB1の数値が50以上のときに「TRUE」と表示する
使用例:=OR(A1=”男性”,B1>=50)
意味:A1に「男性」の文字列がある、またはB1の数値が50以上のときに「TRUE」と表示する
■エラー時表示変更:IFERROR関数
IFERROR(イフエラー)関数は、指定範囲内でエラーが発生したときに、「#DIV/0!」などのエラー表示を指定の文字列に変更するための関数です。
使用例:=IFERROR(A1:C15,”要確認”)
意味:A1からC15の範囲でエラーが発生した場合に「要確認」と表示させる
Excel関数に慣れないうちは関数の使い方を誤ったり、間違えて入力したりする場合もありますが、適宜修正を行えば問題ありません。Excel関数を使いこなせるようになるためにも、試行錯誤を重ねながら経験を積んでいきましょう。
また、Excel関数を効率よく使うためにはショートカットキーの活用がおすすめです。自分に合った使いやすいキーボード選びをするためにも、多様なキーボードを取り扱う「iClever」のサイトをぜひ参考にしてください。