ゲーミングキーボードはどんな構造?普通のキーボードとの違いは?
近年、パソコンの周辺機器にはゲーミングキーボードやゲーミングチェアなど、「ゲーミング」と名がついた製品が増えてきています。これらの製品は従来の機器よりもゲームに特化した機能を持っており、ゲームをプレイする際に快適に使用することができます。
特にイメージされやすいゲーミングと名がつく製品として、ゲーミングキーボードが挙げられますが、ゲーミングキーボードは通常のキーボードと何が異なるのでしょうか。
今回の記事ではゲーミングキーボードと通常のキーボードを比較し、構造や機能の違いについて解説します。
❶ゲーミングキーボードとは
ゲーミングキーボードとは、ゲーム用途に特化したキーボードのことです。
通常のキーボードであればキーの入力のしやすさや、入力時の姿勢などを重視した製品が多いのですが、ゲーミングキーボードはキーの押し心地や、同時に複数のキーを押せる機能など、ゲームをプレイする際に便利な機能を備えています。
ゲーミングキーボードと通常のキーボードの構造の違いについて、詳しく解説します。
❷ゲーミングキーボードの構造
ゲーミングキーボードと通常のキーボードの構造で大きな違いがあるのは方式です。
通常のキーボードはキーが全て一体で構築されているメンブレン式と、薄型のキーボードやノートパソコンでよく採用されるパンタグラフ式のキーボードが主流ですが、ゲーミングキーボードはキーがそれぞれ独立したメカニカル式で作られているのが特徴です。
メカニカル式はキーの軸を選択することが可能で、様々な軸が存在しますが青軸・赤軸・茶軸と呼ばれる3種類の軸が代表的な軸となっています。
・キーの軸の種類
ゲームプレイに最も関係するのがキーの軸です。軸の種類によってキーの入力速度に違いがあったり、キーを押した際の感覚が異なります。
ゲーミングキーボードを選ぶ際にはこの軸の選択が重要なポイントとなっています。
的な軸の特徴について、紹介します。
・青軸
青軸は、入力時のカチャカチャ音が特徴的な軸です。
代表的な軸の中では最もクリック感を感じられる軸で、キータッチの感覚も重めとなっています。入力時のこぎみいいカチャカチャ音と、しっかり文字を入力している感覚がユーザーに人気の軸です。
・赤軸
赤軸は入力時のキータッチが最も軽く、キーをクリックした際の音も抑えめな軸です。
キータッチが軽いため長時間使用しても手が疲れづらく、入力時の音も控え目なため、ゲーム配信をするユーザーや、長時間プログラムを集中して書きたいユーザーに好まれています。
・茶軸
青軸と赤軸の中間に位置するのが茶軸です。
青軸ほどクリック感が重くありませんが、赤軸よりもクリック感は重くなっていて、入力時の音量も抑えめとなっており、クセが少ない軸と言えます。
ゲーミングキーボードを初めて購入するユーザーにおすすめされることが多い軸がこの茶軸です。
❸ゲーミングキーボードと通常のキーボードとの違い
ゲーミングキーボードは通常のキーボードと比較して、様々な機能が搭載されています。
代表的な機能は以下の通りです。
・キーロールオーバー機能
・アンチゴースト機能
・メディアコントロール機能
・マクロキーの設定
・テンキーレス
・デザイン性
それぞれの機能について、解説します。
【キーロールオーバー機能】
ゲームをプレイする際には通常の文字入力と違い、キーを複数同時に押す動作をすることがよくあります。その際に、同時にキーが押されているかを認識するのがキーロールオーバー機能です。
通常のキーボードではロールオーバー機能を搭載している製品は少なく、ゲームをプレイする際に不便を感じることがありますが、キーロールオーバー機能が搭載されていると自由にキーを同時押しすることが可能なので、手元が忙しいゲームをしても安心してプレイすることが可能です。
キーロールオーバー機能の搭載は、通常のキーボードとの大きな違いとなります。
【アンチゴースト機能】
アンチゴースト機能は複数のキー入力を正確に検知し、誤入力を防ぐ機能です。
通常のキーボードは、複数のキーを同時に押した際に入力信号の認識に不具合が発生し、自分が押しているキーとは別のキーを押したと認識されることがあります。アンチゴースト機能を搭載したキーボードであれば、複数押されたキーの信号を正しくそれぞれ認識してくれるので、キーを何個も同時押しした場合でも問題なく動作してくれるのです。
【メディアコントロール機能】
メディアコントロール機能は、音量の調整や、音楽や動画の再生・停止などがキーボードで調整可能になる機能です。
メディアコントロール機能があるキーボードであれば、音量調節が可能なキーや、再生・停止が可能なキーが配置されています。
ゲームのプレイに直接影響することは少ないのですが、画面を切り替えることなく調整できるので、あると便利な機能と言えるでしょう。
近年は通常のキーボードにもメディアコントロール機能が搭載されていることも多いので、見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。
【マクロキーの設定】
マクロキーとは、複数を同時押しする必要があるキー入力や、特定の順番でキーを押す動作などを1つのキーで実行できるようになる機能です。
ゲームをプレイすると、多数のキーを同時押しする場面や、同じ順番でキーを押す動作を何回も繰り返す場面に遭遇することがあります。マクロキーとしてあらかじめ特定の動作を設定しておくと、ボタン一つで同時押し。
【テンキーレス】
ゲーミングキーボードはテンキーレスの製品が多数販売されています。
通常のキーボードでは入力業務などをすることが多いため、テンキーがあった方が効率がいい場合もありますが、ゲームを主な使用用途とするゲーミングキーボードだとデータ入力をする場面が少なく、テンキーを省いてマウスの可動範囲を確保する方がメリットが大きいため、テンキーレスの製品が多くなる傾向があります。
テンキーがないと困るという方は、外付けのテンキーを購入するか、テンキーを搭載したゲーミングキーボードを購入するとよいでしょう。
テンキーレスのキーボードに比べると商品は少なくなってしまいますが、大手メーカーからも販売されていますので、検討するとよいでしょう。
【デザイン性】
ゲーミングキーボードと通常のキーボードでは、デザイン面でも違いを感じられます。通常のキーボードは事務的な雰囲気も感じられるオーソドックスな見た目をしていますが、ゲーミングキーボードはスポーティーな見た目の製品が多く、キーがイルミネーションのように発光する機能を搭載していることが多くなっています。
キーボード自体のデザイン性は特にゲームに影響する部分ではありませんが、ゲームをプレイするモチベーションが上がるという人もおり、感情的な部分でプラスの影響を与えることはあります。
多くの製品は発光をさせないように調整することが可能なので、光る製品が苦手な方は発光機能を使わないように設定するとよいでしょう。
❹ゲーミングキーボードを選ぶポイント
一般のキーボードであれば、単純にサイズ感や入力のしやすさで製品を選んで購入しても使用に違和感を抱くことは少ないのですが、ゲーミングキーボードの場合は自分のプレイスタイルと合致する製品を選ぶのが大前提です。
適当なゲーミングキーボードを選んで購入しても、自分のプレースタイルに合致しないと使用時に違和感を感じることもあります。
では、ゲーミングキーボードは何を基準として購入するのがよいのでしょうか。
製品を選ぶ際のポイントについてご紹介します。
【好みの軸を選ぶ】
ゲーミングキーボードを選ぶ際に、まず最初に考えるのが何の軸の製品にするかです。
軸が違うだけでゲームプレイに大きな影響を与えるケースもあるので、自分のスタイルにあった軸の製品を選ぶようにしましょう。
特に意識すべきなのがキーを入力する際のストロークです。
素早い入力が必要であればストロークの浅い赤軸の製品が有効ですが、キーを押し込む感覚が欲しい場合は青軸の製品を選択するとよいでしょう。
【デザインで選ぶ】
世に出回っているゲーミングキーボードには、キーボード本体がプラスチックではなくアルミなどで作られたデザイン性のある製品や、キーを様々な色に発光させることが可能な製品など、通常のキーボードよりも見た目がスタイリッシュな製品が多くなっています。発光する製品の中でも光り方のパターンが異なるなど、細かい点で違いがありバリエーションは多岐にわたります。
機能面でゲーミングキーボードを選ぶのもよいですが、自分が気に入るデザインのキーボードであるかという点に重点を置くのもひとつの選び方です。
今回はゲーミングキーボードの構造について紹介しました。
ゲーミングキーボードは様々な特徴の製品が発売されており、通常のキーボードよりも自分の好みに合致した製品を選択可能です。自分が満足できるゲーミングキーボードを選択し、楽しいゲームライフを送りましょう。